2023年、全国のプロ農家が腕前を競った「第17回 あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテストin庄内町」で、就農からわずか1年で優良金賞を受賞した若手農家がいる。
 鳥取県大山町にある未来ファームの馬田雄大(まだたけひろ)さんは、16haで水稲と大豆を栽培している。コンテストに出品した「きぬむすめ」が、総勢220点の応募のなかで、みごと優良金賞を受賞した。
 もちろん、良食味を目指すうえで、自動操舵システムは必ずしも必須の機器ではない。それでも、「荒起こしから代かき、普段の耕耘まで、そもそも農業をするうえでなくてはならない存在です」と語ってくれた。

第17回 あなたが選ぶ日本一おいしい米コンテストin庄内町

 馬田さんは、地元の農業高校、農業大学校を経て、23年4月に実家の農業を継いだ。もちろん以前から家業を手伝ってはいたが、まだ就農2年目だ。さぞかし苦労されているタイミングだろうと思っていたが、「悩みや課題はとくにありませんね」と馬田さん。
 「父がスマート農業化に積極的で、ドローンの導入も早かったと思います。FJD自動操舵は21年に導入しました。おかげで、就農当初から農作業が比較的ラクになっていました」。   
 鳥取県内では、野菜農家を中心にドローンや自動操舵が普及してきてはいるが、馬田さんのまわりではまだまだだという。すでに「地域ではスマート農業の先駆者みたいになっている」そうだ。 
 FJD自動操舵を知ったきっかけは、販売店「ファームスカイテクノロジーズ」(福田農機株式会社)の展示会に参加したこと。その場で試乗し、「使いやすさに感銘を受けた」と馬田さん。加えて、低コストであることはもちろん、「販売店の対応が早くて安心できたのと、製品の将来性を感じた」ことも購入の決め手になっただそうだ。FJD自動操舵は年に複数回アップグレードしており、その都度無料で新機能をリリースしている。常に最新バージョンが使えることも、導入を決めた要因になったようだ。

自動操舵の有無で「天と地ほどの違い」
 令和4年度の「食料・農業・農村白書」では、新規就農者の課題の1つに「営農技術の習得」が挙げられている。
 「とくにトラクターの運転は大きな課題だと思います。まわりでは苦手な人も多い。とくに、農繁期にまっすぐ運転することに集中しながらハンドルを握り続けるのは、かなり神経をすり減らします」
 近年、自動操舵システムは新規就農のハードルを下げる機器としても注目を集めるようになってきた。馬田さんの場合、自動操舵システムを導入したことで、作業中の体の負担が大幅に減り、作業後の疲労感に「天と地ほどの違いがあった」という。圃場面積あたりの作業時間も「10%から20%くらい削減できたと感じている」そうだ。
 「自動的に高精度で無駄のない作業をしてくれるので、1日あたりの作業面積の拡大や、燃料代の削減につながってくれてます」また、標準機能のなかでも、日々の作業で重宝しているものがあるという。
 「一度ベースラインを作ったら、モニターに保存しておけるのがいいんですよね。ほかの農機メーカーから直進アシスト機能がついているものが販売されていますが、保存しておけないので、作業のたびにラインを作る必要がある。その点でFJD自動操舵はすごくありがたいです。ほかによく使うのは、ベースラインの平行移動ですね。とくに、作業時のラップ幅を調整するときに、今いる場所にベースラインを移動する機能は重宝しています」 
 FJD自動操舵は20年に日本で販売して以来、さまざまな新機能を追加してきた。今年の1月には、国内で最初に販売を開始したモデル「AT1」が、新モデルの「AT2」と同様の機能を使えるようになった。操作画面もAT2と同じものに統一され、よりわかりやすく、直観的に操作できるようになった。


今年の1月には、国内で最初に販売を開始したモデル「AT1」が、新モデルの「AT2」と同様の機能を使えるようになった

 今回のアップグレードで、馬田さんがとくに気に入っているのが「スマート入線」だという。ある程度ベースラインにトラクターを近づければ、機体を自動的にライン上に乗せてくれる機能だ。トラクターとラインの角度が90度以内であれば、手動でトラクターを旋回させてラインに乗せる必要がなく、操縦の手間が省ける。

今回のアップグレードで、馬田さんがとくに気に入っているのが「スマート入線」だという

「きつい農業」から「かっこいい農業」に
 最後に、日本の農業のこれからを担っていく馬田さんに、今後のFJDへの期待を聞いてみた。
「極論を言ってしまえば、自動操舵システムを取り付けたトラクターが勝手に田んぼに行って作業してくれる、ロボットトラクターのようなものになってほしいですね。後付けの機器で、普段使っているトラクターをロボトラにできたら、すごく面白いと思います。」
「今の農業ってきついとか、儲からないとか、臭いとか、そんなイメージが蔓延しとるじゃないですか。でも、スマート機器が普及すればそういった印象を変えられる。これってすごく意味のあることだと思います。それに、自動操舵システムを使えば新規就農者でも作業精度を上げられるし、安全な作業もできる。スマート農業がもっと広まれば、『きつい農業』から『かっこいい農業』になっていくのかなって思ってます」

両手をより自由に作業をより効率的に
FJD AT1 農機自動操舵システム 両手をより自由に作業をより効率的にFJD AT1 農機自動操舵システムは、GNSSとRTKを利用して、トラクターを直線、曲線、同心円に沿って、± 2.5cm以下の精度で操舵します。 トラクター、田植え機、その他の農業機械に幅広く対応します。

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